産業2026年10月14日
AIの時代でも、食べるものは育てなければなりません
AIが多くの仕事を代わりに担う時代でも、食べるものは土と水、光、時間がなければ育ちません。農業に携わる人と水は減っています。農業技術が担う役割とは何か、N.THINGの取り組みとともに記しました。

文章を書き、絵を描き、コードを組む仕事をAIが代わりに担い始めました。数年前までは人間にしかできないと考えられていた仕事です。画面の中で完結する仕事は、これからも急速に変わっていくでしょう。
ところが、画面の中で完結しない仕事があります。食べるものです。レタス一株はダウンロードできません。種が芽を出し、葉を育てるには水と光、養分、そして時間がかかります。計算がどれほど速くなっても、植物が育つ時間を飛ばすことはできません。
いまなお足りない場所があります
国連食糧農業機関(FAO)など5つの国連機関が今年7月に発表した報告書は、2025年に世界人口の7.8%、約6億4,500万人が飢餓を経験したと推計しています。3年連続で減少した数字です。ただし報告書は、この改善が脆弱であり、地域ごとに偏りがあると付け加えています。
食べるものは技術だけでは解決しません。実際に育て、実際に運ばなければ解決しない問題です。
育てる人と水は減っています
育てる側の事情は楽になっていません。
まず人です。国家データ処が今年9月に発表した2025年農林漁業総調査の結果によると、2025年12月1日時点で韓国の農林漁家人口のうち65歳以上が51.0%です。農林漁家人口の中位年齢は65.3歳です。農林漁家の人の2人に1人が65歳を超えたということです。
水も同じです。FAOが昨年12月に発表した水に関する統計資料は、1人が使える再生可能な水がこの10年間でさらに7%減ったと明らかにしました。同じ資料は、農業が世界で最も多くの水を使う部門だと説明しています。水が減れば、真っ先に影響を受けるのが農業です。
食べる人はそのままか増えていくのに、育てる人は年を取り、育てるための水は減っていきます。AIが何を代わりに担おうと、この計算は誰かが合わせなければなりません。
農業技術が担う役割
ここで農業技術がすべきことが定まります。植物が育つのに必要なものをなくしてしまう技術はありません。技術にできるのは、その条件を揺らぎにくくすることです。
農業は依然として天候と土地に縛られています。同じ種を同じ方法で植えても年ごとに結果が異なり、その差は価格と供給につながります。人の経験がその差を埋めてきましたが、経験を持つ人たちが減っています。経験が担ってきた役割の一部を、データと自動化が引き継がなければならない理由です。
画面の外で働くAI
N.THINGがしているのは、まさにこのことです。N.THINGは2014年から農場を一つの製品として規格化してきました。コンテナモジュールを組み立てて農場をつくり、同じオペレーティングシステムでどこでも同じ品質の作物を育てます。京畿道利川のCUBE.ICHEONには栽培棟が28棟あります。
この農場でAIが担う役割は、文章を書くAIとは異なります。N.THINGのAIは分析し推奨するところで止まらず、光と温度、湿度、養分を直接制御して作物を生産します。答えを画面に表示して終わるのではなく、照明と空調、養液が実際に動きます。このようなAIをPhysical AIと呼びます。
とはいえ、植物が育つ時間がなくなるわけではありません。変わるのは変動です。天候や地域に左右されていた条件を一定に保ち、一度育てた結果をデータとして残して次の栽培の基準として使います。農場が増えるほどデータが蓄積され、その分だけ次の農場は迷うことが少なくなります。
食べるという営みは残ります
AIが多くの仕事を代わりに担うほど、代わりに担えない仕事が何なのかがはっきりしてきます。人は食べ続けなければならず、食べるものは育て続けなければなりません。N.THINGは、その営みを揺らぎにくくする側で働いています。世界を食べさせ支える企業へと成長するというN.THINGの目標も、ここから生まれています。



